ポイント
5代将軍徳川綱吉と、新井白石の時代は、幕府政治が安定した時代でした。しかし、幕府は財政難などに苦しむようになり、8代将軍徳川吉宗の時代から改革が行われていくようになります。
江戸時代の流れ・続き
Ⅰ.幕政の安定
1.5代将軍徳川綱吉
・在職:1680~1709年
・生類憐みの令:極端な動物愛護令
→犬などの動物を積極的に保護
2.儒学者新井白石の政治(1709~1716年)
※6・7代将軍の時期
・正徳の治とよばれる政治を行った
・貿易額の制限:金・銀が海外へ流出するのを防ぐため
3.元禄文化
①特徴
・京都や大阪などの上方を中心に栄えた町人文化
・17世紀後半、5代将軍徳川綱吉の時期が中心
②おもな作品など
ⅰ.俳諧
・連歌をもとに成立
・松尾芭蕉の「奥の細道」
ⅱ.人形浄瑠璃
・脚本家の近松門左衛門が活躍
ⅲ.浮世絵
・町人の生活や文化をえがいた絵画
・菱川師宣の代表作:「見返り美人(図)」など
ⅳ.装飾画
・17世紀前半に俵屋宗達が始めた
ⅰ.俵屋宗達
・代表作:「風神雷神図屏風」
ⅱ.尾形光琳
・すぐれた作品を残す
ⅴ.歌舞伎
・演劇として発達し、庶民に親しまれた
Ⅱ.幕政の改革
1.享保の改革
・8代将軍徳川吉宗による改革
(在職:1716~1745年)
①財政難への対応
ⅰ.新田開発
・海や沼地を積極的に干拓
→年貢を増やすため
ⅱ.武士に質素・倹約をすすめる
ⅲ.上げ米の制
・大名に対し幕府に米を献上させた
・見返りに参勤交代をゆるめた
→大名が江戸にいる期間を1年から半年に短縮
②その他の政策
ⅰ.目安箱の設置
・庶民の意見を聞くため
ⅱ.公事方御定書の制定
・裁判の基準となる法律
2.老中田沼意次の政治
①特徴
・年代:18世紀後半
・商人の力を利用して幕府財政の再建をめざした
→株仲間の結成を積極的に進め、営業税を納めさせた
②政治の乱れ
・地位や特権を求めたわいろが横行した
③失脚
・天明のききんの発生
→農村で百姓一揆、都市部で打ちこわしが急増
※田沼意次は失脚
3.寛政の改革
・老中松平定信による改革:1787~1793年
①改革のおもな内容
・倹約令を出す
・江戸に出かせぎに来ていた農民を農村へ帰らせる
・武士に朱子学を学ばせる
・旗本・御家人の救済:借金を帳消しにした
・出版物の統制
②結果
・きびしい政治改革に不満が高まる
→改革は6年余りで失敗に終わった
漢字の読み方(タップで開きます)
I.幕政の安定
1.5代将軍徳川綱吉
・徳川綱吉:とくがわつなよし
・生類憐みの令:しょうるいあわれみのれい
2.儒学者新井白石の政治
・新井白石:あらいはくせき
・正徳の治:しょうとくのち
3.元禄文化
・元禄文化:げんろくぶんか
・上方:かみがた
・俳諧:はいかい
・松尾芭蕉:まつおばしょう
・人形浄瑠璃:にんぎょうじょうるり
・近松門左衛門:ちかまつもんざえもん
・浮世絵:うきよえ
・菱川師宣:ひしかわもろのぶ
・俵屋宗達:たわらやそうたつ
・風神雷神図屏風:ふうじんらいじんずびょうぶ
・尾形光琳:おがたこうりん
・歌舞伎:かぶき
II.幕政の改革
1.享保の改革
・享保の改革:きょうほうのかいかく
・徳川吉宗:とくがわよしむね
・上げ米:あげまい
・目安箱:めやすばこ
・公事方御定書:くじかたおさだめがき
2.老中田沼意次の政治
・田沼意次:たぬまおきつぐ
3.寛政の改革
・寛政の改革:かんせいのかいかく
・松平定信:まつだいらさだのぶ
・朱子学:しゅしがく
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