ポイント
化政文化が栄える一方、幕府の政治はガタガタになっていきます。外国船が接近するようなり、国内では天保のききんと大塩の乱がおこり百姓一揆と打ちこわしも増加。天保の改革を行いますがこれも短期間で失敗しました。
江戸時代の流れ・続き
1.新しい学問・思想
①国学
・「古事記伝」を書いた本居宣長が大成
②蘭学
ⅰ.杉田玄白
・ヨーロッパの人体解剖書を翻訳して「解体新書」を出版した
ⅱ.伊能忠敬
・西洋の測量術を学び、日本地図を作成した
2.化政文化
①特徴
・19世紀前半、江戸を中心に栄えた、庶民を担い手とする文化
②おもな作品など
ⅰ.美人画
・喜多川歌麿が多くの作品を残す
ⅱ.風景画
・葛飾北斎の「富嶽三十六景」
・歌川広重(安藤広重)の「東海道五十三次」
ⅲ.文学
・十返舎一九の「東海道中膝栗毛」
ⅳ.俳諧
・小林一茶らが活躍
ⅴ.川柳・狂歌
・庶民の間で流行
③教育の広がり
ⅰ.藩校
・各地の藩が設立した、人材育成のための武士の学校
→儒学などを教えた
ⅱ.寺子屋
・町や農村に設立された庶民の教育機関。読み・書き・そろばんなどを教えた
3.幕藩体制の動揺
①外国船の来航と幕府の対応
ⅰ.外国船の接近
・19世紀以降、通商(貿易)を求めて外国船が多く来航
ⅱ.幕府による北方の調査
・間宮林蔵は樺太が島であることを発見した
ⅲ.異国船打払令(外国船打払令):1825年
・鎖国を守るため、日本に近づく外国船を砲撃し追い払うことを命じた
→漂流民を送り届けに来たアメリカの商船を砲撃
※蘭学者の渡辺崋山・高野長英が幕府を批判し処罰された
②国内の動揺
ⅰ.天保のききん:1830年代
・農村で百姓一揆が急増
・都市で打ちこわしが急増
ⅱ.大塩の乱(大塩平八郎の乱):1837年
・もと大阪町奉行所の役人で陽明学者の大塩平八郎が、反乱をおこす
③農村の変化
・工場制手工業(マニュファクチュア)
…大商人や地主が農村内に工場をつくり、農民をやとって分業で製品を生産させるしくみ
※19世紀以降に広まった
4.天保の改革
・老中水野忠邦による改革:1841~1843年
①おもな政策
ⅰ.株仲間の解散
・物価の上昇をおさえるため
ⅱ.江戸に出かせぎに来ていた農民を農村に帰らせる
ⅲ.江戸・大阪周辺の農村を幕府領にする命令を出す
→大名や旗本の反対で中止
②結果
・改革は2年余りで失敗に終わった
漢字の読み方(タップで開きます)
1.新しい学問・思想
・国学:こくがく
・古事記伝:こじきでん
・本居宣長:もとおりのりなが
・蘭学:らんがく
・杉田玄白:すぎたげんぱく
・解剖書:かいぼうしょ
・解体新書:かいたいしんしょ
・伊能忠敬:いのうただたか
2.化政文化
・化政文化:かせいぶんか
・喜多川歌麿:きたがわうたまろ
・葛飾北斎:かつしかほくさい
・富嶽三十六景:ふがくさんじゅうろっけい
・歌川広重(安藤広重):うたがわひろしげ(あんどうひろしげ)
・東海道五十三次:とうかいどうごじゅうさんつぎ
・十返舎一九:じっぺんしゃいっく
・東海道中膝栗毛:とうかいどうちゅうひざくりげ
・小林一茶:こばやしいっさ
・川柳:せんりゅう
・狂歌:きょうか
・藩校:はんこう
・寺子屋:てらこや
3.幕藩体制の動揺
・間宮林蔵:まみやりんぞう
・樺太:からふと
・異国船打払令:いこくせんうちはらいれい
・渡辺崋山:わたなべかざん
・高野長英:たかのちょうえい
・大塩平八郎:おおしおへいはちろう
・工場制手工業:こうじょうせいしゅこうぎょう
4.天保の改革
・天保の改革:てんぽうのかいかく
・水野忠邦:みずのただくに
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