ざっくり理科3年

仕事、力学的エネルギー(ざっくり)

ポイント

仕事の原理は、自転車のギアにも似ています。重いギアだと少しこぐだけで長い距離を進めます。反対にギアを軽くすれば少しの力でこげますが、同じ距離を進むにはそれだけ多くこぐ必要があります。

1.仕事と仕事率

仕事

・物体に力を加えて物体を移動させること
・単位はジュール()
・公式:仕事(J)=力の大きさ(N) × 動いた距離(m)

仕事率

・単位時間あたりの仕事
・単位はワット()
・公式:仕事率(W)=仕事(J)÷かかった時間(s)

※同じ仕事ならかかった時間が短いほど仕事率は大きい

2.仕事の原理

・道具を使っても、仕事の大きさは変わらない

例1:仕事を求める

・500gの物体を1m動かす(持ち上げる)場合の仕事を求める
100gの物体にはたらく重力を1Nとする
→500gであれば5N
(仕事の公式:仕事(J)=力の大きさ(N)×距離(m))

(1)直接持ち上げる場合
5N × 1m = 5J

(2)定滑車を使う場合
5N × 1m = 5J

(3)動滑車を使う場合
2.5N × 2m = 5J

※動滑車を使うと、必要な力は半分(2分の1)2.5Nですむが、動かす距離は2倍2mになる
仕事そのものは5J変わらない(仕事の原理)

例2:仕事率を求める

・例1の、500gの物体を1m持ち上げる場合の仕事は、5N×1m=5J

(1)1秒で持ち上げた場合の仕事率
5J ÷ 1s = 5W

(2)2秒で持ち上げた場合の仕事率
5J ÷ 2s = 2.5W 

(3)5秒で持ち上げた場合の仕事率
5J ÷ 5s = 1W

となる。時間がかかるほど仕事率は小さくなる。反対に、短い時間で同じ仕事をするのであれば、仕事率は大きくなる

3.エネルギー

・ほかの物体に仕事をすることができる能力
※力を加えて動かしたり変形させたりすること

位置エネルギー

高いところにある物体がもっているエネルギー
・物体の位置が高いほど位置エネルギーは大きい
・物体の質量が大きいほど位置エネルギーは大きい

運動エネルギー

運動している物体がもっているエネルギー
・物体の速さが速いほど運動エネルギーは大きい
・物体の質量が大きいほど運動エネルギーは大きい

③力学的エネルギー

・位置エネルギーと運動エネルギーの和

力学的エネルギーの保存

・位置エネルギー運動エネルギーはたがいに移り変わり、その和である力学的エネルギーは一定に保たれるということ(摩擦や抵抗などがない場合)

例:振り子の運動

上の図の解説
(1)A点
・位置エネルギー最大
・運動エネルギー0(速さが0)

(2)A→B
・位置エネルギーが減少
・運動エネルギーが増加(加速)
※位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わる

(3)B点
・位置エネルギー0
・運動エネルギー最大(速さが最大)

(4)B→C
・運動エネルギーが減少(減速)
・位置エネルギーが増加
※運動エネルギーが位置エネルギーに移り変わる

(5)C点
・位置エネルギー最大
・運動エネルギー0(速さが0)

↓図:位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わり
(位置エネルギーと運動エネルギーの和は常に等しい:力学的エネルギーの保存)


漢字の読み方(タップで開きます)

2.仕事の原理
・定滑車:ていかっしゃ
・動滑車:どうかっしゃ