農林水産業
・第一次産業に分類される
※人間が自然に直接はたらきかけて行う生産活動
1.日本の農業の特徴
・北海道を除いて小規模
・単位面積あたりの収穫量が多い
2.さまざまな野菜生産の形態
①近郊農業
・大都市周辺でさかん
②促成栽培
・冬でも暖かい気候を利用、出荷時期を早める
・宮崎県、高知県など
③抑制栽培
・夏でも冷涼な気候を利用、出荷時期を遅らせる
・長野県や群馬県でキャベツ、レタスを生産
④施設園芸農業
・温室やビニールハウスを利用
3.果樹栽培
・扇状地、台地、ゆるやかな斜面などを利用
※水はけが良い土地
・各地の気候に合わせた果物を栽培
①りんご
・東日本に多い
※冷涼な地域
②みかん
・西日本に多い
※温暖な地域
③ぶどう
・中央高地に多い
※雨の少ない地域
4.畜産
・北海道、鹿児島県、宮崎県で特にさかん
5.食料自給率の低下
①日本の食料自給率
・現在、約40%
・背景:農産物の貿易自由化(牛肉、オレンジ、小麦など)
②日本の品目別食料自給率
※2018年
・米:97%
・野菜類:77%
・いも類:73%
・肉類:51%
・果実類:38%
・小麦:12%
・豆類(大豆など):7%
6.日本の農業の課題と評価
①後継者不足
・農業に従事する若者の減少
・高齢化:65歳以上が農業従事者の3分の2を占める
②海外からの評価
・高品質で安全性が高く、高評価
7.都道府県別生産量
※年によって順位が入れ替わることがよくあります
米
※新潟・北海道と東北地方が多いが、関東地方も意外と多い
・1位:新潟(8.1%)
・2位:北海道(6.6%)
・3位:秋田(6.3%)
・4位:山形(4.8%)
・4位:宮城(4.8%)
・6位:福島(4.7%)
・7位:茨城(4.6%)
・8位:栃木(4.1%)
・9位:千葉(3.9%)
・10位:岩手(3.5%)
・11位:青森(3.4%)
茶
・1位:静岡(約39%)
・2位:鹿児島(約32%)
菊
・1位:愛知(約32%)
・2位:沖縄(約18%)
きゅうり
※宮崎・高知は促成栽培
・1位:宮崎(約28%)
・ :高知(約13%)
なす
※高知は促成栽培
・1位:高知(約19%)
・2位:熊本(約17%)
ピーマン
※宮崎・高知は促成栽培
・1位:茨城(約24%)
・2位:宮崎(約19%)
・3位:高知(約10%)
キャベツ
※群馬は抑制栽培(高原野菜)
・1位:群馬(約19%)
・2位:愛知(約17%)
・3位:千葉(約9%)
レタス
※長野・群馬は抑制栽培(高原野菜)
・1位:長野(約38%)
・2位:茨城(約15%)
・3位:群馬(約8%)
はくさい(白菜)
※長野・群馬は抑制栽培(高原野菜)
・1位:茨城(約27%)
・2位:長野(約25%)
・3位:群馬(約4%)
ねぎ
※関東地方が多い(近郊農業)
・1位:千葉(約14%)
・2位:埼玉(約12%)
・3位:茨城(約11%)
ほうれんそう
※関東地方が多い(近郊農業)
・1位:千葉(11.2%)
・2位:埼玉(10.6%)
・3位:群馬(9.4%)
・4位:茨城(7.8%)
いちご
・1位:栃木(約15%)
・2位:福岡(約10%)
・3位:熊本(約7%)
さくらんぼ(おうとう)
※さくらんぼといえば山形県
・1位:山形(約79%)
西洋なし
・1位:山形(約66%)
・2位:青森(約7%)
りんご
※りんごといえば青森県
・1位:青森(約59%)
・2位:長野(約19%)
桃
※中央高地の山梨・長野が多い
・1位:山梨(約35%)
・2位:福島(約21%)
・3位:長野(約12%)
ぶどう
※中央高地の山梨・長野が多い
・1位:山梨(約24%)
・2位:長野(約26%)
・3位:山形(約10%)
みかん
※上位3県が有名ですが、2~4位が入れ替わる年もあります
・1位:和歌山(約21%)
・2位:愛媛(約17%)
・3位:静岡(11.5%)
・4位:熊本(10.8%)
てんさい
※北海道のみ
・1位:北海道(100%)
小豆
・1位:北海道(約93%)
じゃがいも
・1位:北海道(約77%)
たまねぎ
・1位:北海道(約65%)
・2位:佐賀(約9%)
小麦
・1位:北海道(約62%)
・2位:福岡(約6%)
とうもろこし
・1位:北海道(約46%)
・2位:千葉(約7%)
・3位:茨城(約6%)
生乳
・1位:北海道(約54%)
・2位:栃木(約5%)
乳牛の飼育頭数
※北海道が圧倒的に多い
・1位:北海道(約60%)
・2位:栃木(約4%)
・3位:熊本(約3%)
肉牛の飼育頭数
※鹿児島・宮崎はシラス台地の畜産
・1位:北海道(約21%)
・2位:鹿児島(約13%)
・3位:宮崎(約10%)
豚の飼育頭数
※鹿児島・宮崎はシラス台地の畜産
・1位:鹿児島(約14%)
・2位:宮崎(約9%)
・3位:北海道(約8%)
ブロイラーの飼育頭数
※鹿児島・宮崎はシラス台地の畜産
・1位:宮崎(約20%)
・2位:鹿児島(約20%)
・3位:岩手(約16%)
鶏卵
・1位:茨城(8.5%)
・2位:鹿児島(約7%)
8.日本の林業
①国産の木材
・秋田すぎ、木曽ひのき、吉野すぎなど
→木造建築に利用
②輸入木材の増加
・林業従事者の減少、高齢化
9.日本の漁業
①おもな漁港
・銚子(千葉県)
・焼津(静岡県)
・八戸(青森県)
など
※世界でも有数の漁獲量
②遠洋漁業、沖合漁業の減少
・背景:各国が(排他的)経済水域を設定
③都道府県別漁獲量
※北海道が1位のもの
■たら類
・1位:北海道(約90%)
■こんぶ類
・1位:北海道(約86%)
・2位:岩手(約9%)
■さけ類
・1位:北海道(約67%)
・2位:宮城(約17%)
・3位:岩手(約9%)
■ほたて
・1位:北海道(約81%)
・2位:青森(約18%)
④とる漁業から育てる漁業へ
・養殖漁業(養殖業)、栽培漁業が行われている
■わかめの養殖量
・1位:岩手(約36%)
・2位:宮城(約33%)
・3位:徳島(約12%)
しっかり地理にもどる
この記事に登場する統計は以下の教科書記載の数値を参考にし、適宜四捨五入等しました。統計年は2018年・2019年のものが多いですが、それ以外の年のものもあります。
・帝国書院『中学生の地理』
・東京書籍『新しい社会 地理』
・教育出版『中学社会 地理』
・日本文教出版『中学社会 地理的分野』
(いずれも令和3年発行)