1.鉱産資源
・エネルギー源や工業の原料として使われる鉱物
例:石油(原油)、石炭、鉄鉱石
2.鉱産資源と日本
①1960年代まで
・国内の石炭や銅を採掘し利用
→その後、安価で高品質の外国産の資源を多く輸入
②現在の状況
・ほとんどを輸入に頼る
・エネルギー自給率は低い
③おもな資源の輸入先
ⅰ.石油の輸入先
1位:サウジアラビア(35~40%)
2位:アラブ首長国連邦(約30%)
ⅱ.石炭の輸入先
1位:オーストラリア(約60%)
2位:インドネシア
ⅲ.鉄鉱石の輸入先
1位:オーストラリア(55~60%)
2位:ブラジル(約25%)
3.さまざまな発電
①水力発電
ⅰ.特徴
・水の落下エネルギーを利用する発電
・ダムの水を利用
ⅱ.発電所の立地(日本)
・山間部、内陸部に多い
ⅲ.問題点
・発電量が安定しない
・ダム周辺の環境や生態系に影響を及ぼす
②火力発電
ⅰ.特徴
・化石燃料(石油・石炭)を燃やして発電
ⅱ.発電所の立地(日本)
・資源の輸入に便利な臨海部
・電力需要の多い工業地域・大都市周辺
ⅲ.問題点
・温室効果ガスが発生し、地球温暖化につながる
③原子力発電
ⅰ.特徴
・ウランを原料とする
・温室効果ガスを排出せず、安定した電力が得られる
ⅱ.発電所の立地(日本)
・冷却水の得やすい沿岸部
※大都市から離れた地域が多い
ⅲ.問題点
・安全性に課題がある
※2011年、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故など
・放射性廃棄物の処理問題
④再生可能エネルギーを利用した発電
ⅰ.特徴
・永続的に得られるエネルギー
・環境への影響が少ない:二酸化炭素や有害な物質を出さない
・資源がなくなる心配がない
例:太陽光、風力、水力、地熱、バイオ燃料
ⅱ.問題点
・発電コストが高い
・発電量が安定しない
・発電所建設による環境破壊(例:森林を伐採して太陽光パネルを設置する)
4.発電の割合
①日本
ⅰ.現在(2022年)
・火力発電:70%以上で最も多い
・水力発電:7~8%
・原子力発電:5~6%
※2011年の東日本大震災後、大きく減少
・再生可能エネルギー:約15%
※近年は割合がよく変動するので、教科書や資料集で確認すること
ⅱ.東日本大震災の前
・火力発電:65~70%で最も多い
・原子力発電:約25%
・水力発電:7~8%
・再生可能エネルギー:1%前後
②諸外国の発電割合
ⅰ.フランス
・原子力発電が最も多い(約70%)
※主要国で原子力発電の割合が最も高い
ⅱ.ブラジル、カナダ
・水力発電が最も多い
※ブラジル:60~65%
カナダ:55~60%
ⅲ.その他
・火力発電が中心の国が多い
・アメリカ:60~70%
・中国:70~75%
・ドイツ:50~55%
※ドイツは再生可能エネルギーの割合が約30%と高い
5.資源の活用と環境保全
・持続可能な社会の実現をめざす
・リサイクル:資源の再生利用
例:不要になった携帯電話からレアメタルを回収して再利用
・省エネルギーの技術:環境にやさしい素材の開発
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