ポイント解説
市場価格は需要と供給の関係で変動します。価格が変動すると、需要と供給も変動し、さらに価格もまた変動します(単に価格といった場合は、市場価格のことを意味します)。これを繰り返すことで、価格は均衡価格に近付き、やがて需要と供給も一致します。このことは需要曲線と供給曲線のグラフで示すことができます。
1.市場経済のしくみ
①市場とは
・商品が売買される場のこと
※実際にそういう場所があるわけではない
②市場価格
・市場で売買されている商品の価格のこと
・需要と供給の関係で決まる
ⅰ.需要(量)
・消費者・買い手が買おうとする量
ⅱ.供給(量)
・生産者・売り手が売ろうとする量
③市場価格の決まり方
・需要量と供給量の関係で変化・決定する
ⅰ.需要量>供給量
・商品の数よりも、欲しい人が多い
・品不足の状態になる
→価格(市場価格)は上昇する(上がる)
※多少高くても売れる
例:オークションで欲しい人が多いと価格がどんどん上がる
ⅱ.需要量<供給量
・欲しい人よりも、商品の数が多い
・売れ残りの状態になる
→価格(市場価格)は下落する(下がる)
※売り手は安くしてでも売りたい
例:閉店時間が近くなると弁当が安くなる
ⅲ.需要量=供給量
・欲しい人と商品の数が同じ
・売れ残りも品不足もない状態
・この時の価格を、均衡価格という
④均衡価格
・市場価格の中でも、需要と供給が一致したときの価格
※需要と供給を一致させる価格でもある
2.需要曲線・供給曲線の見方
①2つの曲線
上の図で、
・Aの曲線を、需要曲線という
・Bの曲線を、供給曲線という
②価格と数量の見方
・先に価格を見ること
ⅰ.商品が200円のときの需要・供給
・Aは30なので、需要量は30個
※高いので、買いたい人が少ない
・Bは90なので、供給量は90個
※高いので(売れればもうかるから)、売りたい人が多い
→60個売れ残る
→やがて価格は下落する
ⅱ.商品が100円のとき
・需要量は90個
※安いので、買いたい人が増えた
→バーゲンセールは、大きく値下げして人を集めている
・供給量は30個
※あまりもうからないので、売り手はたくさん売りたがらない
→60個品不足になる
→やがて価格は上昇する
ⅲ.商品が150円のとき
・需要量・供給量ともに60個
→売れ残りも品不足もない
→この時の市場価格Pを、均衡価格という
※このグラフでは、均衡価格は150円ということ
※需要曲線と供給曲線の交点のy座標(価格)が、均衡価格になる!
3.市場経済
・自由な取引が行われ、需要と供給の関係で価格が変動する経済のしくみ
※価格の変動は、需要曲線と供給曲線で表される
漢字の読み方(タップで開きます)
・市場:しじょう
※いちばではない
・需要:じゅよう
・供給:きょうきゅう
・均衡価格:きんこうかかく
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