1.関東地方の産業
関東地方では、特に情報通信技術(IT、ICT)関連産業がさかんになっています。そのようなこともあり、第3次産業(サービス業など)の従事者の割合は、1都3県では7割以上となっています。
2.関東地方の工業
関東地方には、いくつかの工業地帯・工業地域が形成されています。
①京浜工業地帯
・東京都から神奈川県に広がっている工業地帯です。この工業地帯の特徴としては、印刷業がさかんなことです。工業生産額に占める印刷業の割合も、他の工業地帯・地域に比べて大きくなっています。その理由は、東京には多くの情報が集まるため新聞社や出版社が多いからです。
・神奈川県では横浜市で自動車工業、川崎市で石油化学や鉄鋼業がさかんとなっています。
②京葉工業地域
・東京湾の東岸、千葉県の千葉港を中心に形成されています。石油の輸入に便利な沿岸部に工業地域が発達し、火力発電所もあります。石油化学工業がさかんな市原市には石油化学コンビナートが見られます。ほかに、千葉市は鉄鋼業がさかんです。
・京葉工業地域の特徴は、化学工業の割合が最も大きいということです。他の工業地帯・地域は、いずれも機械工業が最大なのですが、京葉工業地域だけは化学工業が最大ということは覚えておきましょう。
③鹿島臨海工業地域
・茨城県の南東部、鹿島港を中心とする工業地域です。掘り込み式の港が整備され、工場が多く進出して形成されました。
・石油化学工業が発達しており、ここにも石油化学コンビナートが集まっています。
・日立市では電気機械、鹿嶋市では鉄鋼業がさかんです。
※地域の名前は鹿島ですが、市の名前は鹿嶋なので注意しましょう(鹿島市は佐賀県にあります)。
④北関東工業地域
・内陸の工業地域として、埼玉県・栃木県・群馬県に広がっています。北関東自動車道が2011年に開通し、物資の輸送などにかかる時間が短縮されました。
・群馬県では太田市の自動車工業、前橋市の電気機械がさかんです。
・埼玉県秩父市のセメントなども有名です。
3.関東地方の農業
①近郊農業
・埼玉県、千葉県、茨城県などの大都市に近い地域でさかんです。
・特に茨城県、千葉県の農業生産額は、全国でも上位にあります。茨城県は2位、千葉県も3~4位にランクインすることが多いです(1位は北海道)。
・千葉県はほうれんそう・ねぎ・梨(日本なし)の生産量が全国1位、にんじんは2位です。
②抑制栽培
・中部地方の長野県などと同様、夏でも涼しい高冷地では抑制栽培が行われており、高原野菜を栽培しています。群馬県嬬恋村ではキャベツ・レタスなどを栽培し、都市部に出荷する輸送園芸農業がさかんです。
・群馬県はレタス・はくさいの生産量が全国3位、キャベツの生産量が全国2位となっています。
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