しっかり地理

緯線と経線、さまざまな図法(しっかり解説)

1.緯線と経線

緯線

地球儀や世界地図にえがかれているの横の線緯線といいます。

緯度が0度の緯線赤道といい、これよりも北の緯度を北緯、南の緯度を南緯で表現します。
例えば、日本の国土は北緯20度~北緯46度の間に位置しています。

なお、北緯南緯とも90度まであり、北緯90度は北極、南緯90度は南極です。

経線

地球儀や世界地図にえがかれているたての線経線といいます。

経度0度の経線を本初子午線といい、イギリスの首都ロンドンを通っています。そして、これよりも東側の経度を東経、西側の経度を西経で表現します。

例えば、日本は東経122度~東経154度の間に位置しています。

なお、東経・西経とも180度まであります。東経180度・西経180度の経線は共通となっています。日付変更線はほぼ180度の経線を通っています。

漢字ミスに注意。東経・西経の「経」の字を、直径・半径の「径」にしないように注意しましょう。「東径」などと書いてしまわないように。

③日本の標準時子午線

日本の標準時子午線は、東経135度の経線で、兵庫県明石市を通っています。

時差の計算をする場合、日本時間はこの東経135度をもとに計算します。

④まとめ

①~③の内容を1つの世界地図にまとめて表すと、上の地図のようになります。確認しておきましょう。

2.世界地図の図法

地球は(ほぼ)球体なので、平面である地図に方位や面積や距離をすべて正しく表現することは不可能です(可能なのは地球儀のみ)。

地図で正しく表現できるのは、それらの要素のうちの1つか2つくらいです。たくさんの地図が作られ、さまざまな目的に合わせて利用されています。ここでは、3つの地図を確認しておきましょう。

①面積が正しい地図

面積を正しく表した地図にはいくつかありますが、上に示したものはモルワイデ図法といいます。
はじっこの方は形が少しゆがんでしまいいますが、面積の大きさは正しいです。

②角度の正しい地図

これは比較的よく見る地図だと思います。メルカトル図法といいます。緯線と経線が直角に交わっているのが特徴で、出発地点と目的地を結んだ直線は、常に経線と同じ角度になります(最短距離ではないが、これに従って進めば確実に目的地に行けるということ)。そのため、航海図として用いられました。

問題点としては、メルカトル図法は高緯度になるほど面積が実際より大きくなってしまいます。つまり、面積は正しくない

例えば、オーストラリアとグリーンランドを見てみると、モルワイデ図法はオーストラリアの方が大きいですが(これが正しい)、メルカトル図法はグリーンランドの方が大きく見えてしまいます。

あと、方位も正しくないです。これは③の図法でくわしく説明します。

③中心からの距離と方位が正しい地図

これは正距方位図法といいます。中心(ここでは東京)と別のある地点を結んだとき、その距離と方位が正しく表現されています。

例えば、東京からアメリカへ最短距離で行こうとした場合、その方位は北東となります。メルカトル図法に慣れていると、「まっすぐ東へ向かえばアメリカへ着くだろう」と思ってしまいがちですが、それは誤りという事です(メルカトル図法は方位が正しくないので)。東京から東へ進んで最初に着くのは、南アメリカ大陸ということになりますね。


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正距方位図法の地図は“どこでも方位図法” by (株)オンターゲット(http://maps.ontarget.cc/azmap/)を利用して作成しています。
それ以外の世界地図は、http://www.craftmap.box-i.net/ に掲載のものを利用しました