1.奈良時代のはじまり
710年、唐の都長安にならった新しい都が、奈良につくられました。
これを平城京といい、平安京に都を移すまでの80年あまりを奈良時代といいます。
平城京の東西には市(いち)が設けられ、各地の産物が売買されました。その際、和同開珎(わどうかいちん)という貨幣が交換の手段として用いられました。
2.さまざまな負担
奈良時代の人々に対しては、さまざまな負担が課されました。
まず、人々は6年ごとにつくられる戸籍に登録されました。
この戸籍にもとづいて、6歳以上の男女に性別や身分に応じた面積の口分田(くぶんでん)が与えられましたが、その人が死亡したら、口分田を国に返すことになっていました。
これを班田収授法(はんでんしゅうじゅのほう)といいます。口分田を与えられた人々は、収穫の約3%を租(そ)として納めました。
そのほかにも、地方の特産物などを納める調(ちょう)、労役のかわりに麻布などを納める庸(よう)、さらに兵役などの負担がありました。
兵役には、おもに東国の成人男子が防人(さきもり)として3年間、九州地方を防衛することなどがありました。
3.土地政策の変化
奈良時代には、人口の増加などにより、口分田が不足しました。
そこで、土地政策を大きく変更する法令として、743年に墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいのほう)が出されました。
これにより、新しく開墾した土地を永久に私有することが認められました。
こうして貴族や寺院によって開墾された私有地は、のちに荘園とよばれるようになりました。
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