ポイント解説
開国後の混乱のなか、尊王攘夷運動が高まりました。幕府の大老井伊直弼は安政の大獄で政治批判を弾圧しますが、桜田門外の変で暗殺されてしまいました。その攘夷運動も、薩摩藩・長州藩ともに不可能だとさとり、今度は倒幕運動に向かうことになります。
1.尊王攘夷運動の高まり
・天皇を尊び(尊王)、外国を排除(攘夷)しようとする動きのこと
①安政の大獄
・1858~59年、大老井伊直弼が、幕府に反対する大名・武士・公家らを処罰
→吉田松陰(長州藩、松下村塾出身)らを処刑
②桜田門外の変
・1860年、井伊直弼が暗殺される
→幕府の権威はますます落ちた
2.攘夷の挫折
①薩摩藩
ⅰ.生麦事件:1862年
・大名行列を横切ったイギリス人を殺害
ⅱ.薩英戦争:1863年
・イギリスの攻撃を受ける(生麦事件の報復)
・薩摩藩は実力差を認識し、攘夷をあきらめる
※その後、イギリスに接近
②長州藩
ⅰ.攘夷の実行
・下関海峡(関門海峡)を横切る外国船を砲撃
ⅱ.四国艦隊下関砲撃事件:1864年
・アメリカ・オランダ・イギリス・フランスの攻撃を受け、下関砲台を占領される(前年の上位の実行の報復)
・長州藩は実力差を認識し、攘夷をあきらめる
3.倒幕へ
①認識の変化
・薩摩藩・長州藩とも攘夷の不可能をさとる
→幕府をたおして新しい政府を樹立することを考える
②薩長同盟の成立
・1866年、土佐藩出身の坂本龍馬らの仲介で成立
※中心人物
・薩摩藩:西郷隆盛、大久保利通ら
・長州藩:高杉晋作、木戸孝允ら
4.民衆の動き
・「世直し」を期待する農民の一揆が全国で多発
・江戸や大阪で打ちこわしの増加
・「ええじゃないか」と人々が熱狂するさわぎが流行
漢字の読み方(タップで開きます)
・尊王攘夷運動:そんのうじょういうんどう
・安政の大獄:あんせいのたいごく
・井伊直弼:いいなおすけ
・吉田松陰:よしだしょういん
・松下村塾:しょうかそんじゅく
・桜田門外の変:さくらだもんがいのへん
・薩摩藩:さつまはん
・生麦事件:なまむぎじけん
※生麦という場所で起こった
・薩英戦争:さつえいせんそう
・長州藩:ちょうしゅうはん
・下関海峡:しものせきかいきょう
・関門海峡:かんもんかいきょう
・四国艦隊下関砲撃事件:しこくかんたいしものせきほうげきじけん
・薩長同盟:さっちょうどうめい
・土佐藩:とさはん
・坂本龍馬:さかもとりょうま
※竜馬でもOK
・西郷隆盛:さいごうたかもり
・大久保利通:おおくぼとしみち
・高杉晋作:たかすぎしんさく
・木戸孝允:きどたかよし
・世直し:よなおし
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