しっかり歴史

義和団事件、日英同盟、日露戦争

ポイント解説

朝鮮をめぐる清との対立は、日清戦争で決着しました。すると今度は韓国(朝鮮から改称)をめぐりロシアとの間に対立が生じました。日本は同じくロシアと対立するイギリス日英同盟を結ぶことに成功し、1904年日露戦争に踏み切ります。戦争は日本の勝利に終わりますが、ポーツマス条約では賠償金が得られず、増税などで苦しめられていた国民は怒りを爆発させました。

1.義和団事件

・1899~1900年
清で民衆が外国の勢力を追い払うために立ち上がる
 →清政府もこれを支持し、各国に宣戦布告

・日本・ロシアなど8か国が清に出兵して鎮圧

2.日本とロシアの対立

・義和団事件後もロシアは兵を満州にとどめて事実上占領
 ※満州:中国の東北の地域

・ロシアは韓国にも進出の動きをみせる
 →日本とロシアの対立が深まる

①日英とロシアの対立

ⅰ.日本とロシアの対立
満州朝鮮をめぐり対立

ⅱ.イギリスとロシアの対立
・東アジアをめぐり対立

ロシアに対する日本とイギリスの利害が一致

日英同盟

・1902年、日本とイギリスが同盟を結ぶ
ロシアの南下政策に対抗するため
→日本国内でロシアとの戦争の機運が高まる

③ロシアとの戦争に反対した人物

ⅰ.幸徳秋水
・社会主義者の立場から反対

ⅱ.内村鑑三
・キリスト教徒、思想家
・キリスト教徒としての立場から反対

ⅲ.与謝野晶子
歌人
・詩の「君死にたまふことなかれ」で出征する弟を案じる

3.日露戦争

1904~05年

①経過

日本海海戦東郷平八郎を司令長官とする日本海軍がロシアのバルチック艦隊に勝利

②講和へ

※両国とも戦争の継続が困難に
日本:兵力や物資が不足。国力の限界
ロシア:国内で革命運動がおこる

ポーツマス条約

・1905年、アメリカの仲介で締結

おもな内容
・ロシアは韓国における日本の優越権を認める
・ロシアは遼東半島(旅順・大連)の租借権を日本にゆずる
・ロシアは長春以南の鉄道(南満州鉄道)の利権を日本にゆずる
・ロシアは北緯50度以南の樺太を日本にゆずる
・ロシアは沿海州、カムチャツカ半島沿岸の日本の漁業権を認める 

④日本国内の動向

・日本国民はポーツマス条約の内容に不満
 ※理由:賠償金を得ることができなかったから
日比谷焼き打ち事件:民衆の暴動がおこる


漢字の読み方(タップで開きます)

・義和団事件:ぎわだんじけん
・満州:まんしゅう
・日英同盟:にちえいどうめい
・幸徳秋水:こうとくしゅうすい
・内村鑑三:うちむらかんぞう
・与謝野晶子:よさのあきこ
・日露戦争:にちろせんそう
・日本海海戦:にほんかいかいせん
・東郷平八郎:とうごうへいはちろう
・バルチック艦隊:バルチックかんたい
・遼東半島:りょうとうはんとう(リアオトンはんとう)
・旅順:りょじゅん
・大連:だいれん
・長春:ちょうしゅん
・南満州鉄道:みなみまんしゅうてつどう
・樺太:からふと
・日比谷焼き打ち事件:ひびややきうちじけん

 


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