1.日本の社会保障制度の課題
社会保障制度には課題もあります。
まず、現在の日本は、子どもの数が少なく高齢者の数が多い少子高齢社会であることです。65歳以上の高齢者の割合は25%を超えています。高齢者が多いため、医療費や年金給付は増加していきます。つまり、国の財政が悪化していくということです。
逆に、働く年齢の人口が少なくなるため、国に入る税収や保険料は減少しますから、財政がますますきびしくなることが予想されています。実際、国の財政の歳出を見ると、社会保障関係費の割合が増加しており、現在は歳出で最も多くなっています。
2.外国の社会保障制度の特徴
外国にも社会保障制度がありますが、国によってその内容は異なっています。スウェーデンなど北欧諸国は「高福祉高負担」といって、国民は社会保障による給付を多く受け取れます。ただし、保険料や税金などの負担は重い(大きい)という特徴があります。
これに対し、アメリカなどは「低福祉低負担」で、保険料や税金の負担は軽い(小さい)ため、社会保障による給付は少なくなります。
アメリカは自由の国といわれますが、自己責任の国でもあるのです。自由であるということには、責任が伴うのです。何かあった場合には、自分で何とかするべきという考え方がアメリカでは主流のようです。
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