ポイント解説
大正デモクラシーの風潮のもと、さまざまな分野で社会運動が起こり、政治でも民主主義的な動きがみられました。男子普通選挙制が実現したのも大正時代のことでした。しかし、一方で治安維持法も制定され、思想の取りしまりも強化されました。
1.社会運動の広がり
①労働争議
・労働者が給料の引き上げや労働時間の短縮を求める運動
・おもに都市部で発生
②小作争議
・小作農が小作料の引き下げを地主に求める運動
・おもに農村部で発生
※小作料とは?
・小作農は自分の農地を持っていないので、地主(豊かな農民)に農地を借りて農作業をする。その収穫の大部分を小作料として地主に納めた(年貢のような感じ)。
③女性運動
ⅰ.青鞜社
・1911年、平塚らいてうらが結成
・女性差別からの解放を訴える文学団体
ⅱ.新婦人協会
・1920年、平塚らいてう・市川房枝らが結成
・女性の政治参加などを求める政治団体
④解放運動
ⅰ.全国水平社
・1922年、部落差別からの解放を求めて結成
2.政党内閣の時代
※1924~32年
・第二次護憲運動の後、加藤高明内閣が成立
→犬養毅内閣が五・一五事件で倒れるまでの8年間、政党内閣の時代が続く
3.男子普通選挙の実現
①普通選挙法
・1925年、加藤高明内閣のもとで成立
・納税額による選挙権の制限を撤廃し、満25歳以上のすべての男子に選挙権を与えた
②治安維持法
・普通選挙法と同時に制定
・社会主義運動に対する取りしまりを強化するため
漢字の読み方(タップで開きます)
・小作争議:こさくそうぎ
・小作農:こさくのう
・青鞜社:せいとうしゃ
・平塚らいてう:ひらつからいちょう
・新婦人協会:しんふじんきょうかい
・市川房枝:いちかわふさえ
・全国水平社:ぜんこくすいへいしゃ
・加藤高明:かとうたかあき
・犬養毅:いぬかいつよし
・五・一五事件:ごいちごじけん
(ごーいちごじけん)
・治安維持法:ちあんいじほう
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