ポイント解説
GHQの方針は日本の民主化・非軍事化でした。治安維持法の廃止、財閥解体、農地改革などの大きな改革が行われました。日本の本土はGHQの間接統治にもとにおかれましたが、沖縄などはアメリカの直接統治、北方領土などはソ連に占領されました。
1.GHQの統治
・終戦後、日本はアメリカなどの連合国により占領された
→連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による間接統治のもとにおかれた
※GHQの最高司令官はマッカーサー
・間接統治:GHQの指令に従って日本政府が政策を実施
・GHQの方針:日本の民主化、非軍事化
日本の領土の制限
・北海道、本州、四国、九州とその周辺の島々に限られる
ⅰ.アメリカ軍の直接統治
・沖縄、奄美群島、小笠原諸島
ⅱ.ソ連の占領
・北方領土(国後島、択捉島、歯舞群島、色丹島)、千島列島、南樺太など
2.民主化・自由化政策
①政治活動・言論の自由
ⅰ.治安維持法の廃止
・政治活動・発言が自由に
ⅱ.選挙権の拡大
・満20歳以上のすべての男女が有権者となった
②財閥解体
・経済の民主化
・三井・三菱・住友・安田などの財閥を解体
※日本経済を支配し、軍国主義を支えてきた
③労働者の権利保障
ⅰ.労働組合法
・労働者の団結権を保障
・労働組合の結成を認めた
・ストライキも認めた
ⅱ.労働基準法
・労働条件の最低基準を定めた
④農地改革
・農村の民主化
・地主の持つ小作地を政府が強制的に買い上げた
→小作人(小作農)に安く売り渡した
・これにより、多くの自作農が生まれた
※小作人:自分の農地を持たない農民
※自作農:自分の農地を持つ農民
⑤軍隊の解散
・軍隊は解散された
⑥公職追放
・戦争中に重要な地位にあった人々が対象
→職を追われた
3.極東国際軍事裁判(東京裁判)
・戦争犯罪人(戦犯)とみなされた人が対象
・東条英機元首相らが死刑になった
4.昭和天皇の「人間宣言」
・1946年1月1日、昭和天皇みずから「天皇は神の子孫である」という考え方を否定
漢字などの読み方(タップで開きます)
・連合国軍最高司令官総司令部:れんごうこくぐんさいこうしれいかんそうしれいぶ
・GHQ:ジーエイチキュー
・奄美群島:あまみぐんとう
・国後島:くなしりとう
・択捉島:えとろふとう
・歯舞群島:はぼまいぐんとう
・色丹島:しこたんとう
・財閥解体:ざいばつかいたい
・小作人:こさくにん
・自作農:じさくのう
・公職追放:こうしょくついほう
・極東国際軍事裁判:きょくとうこくさいぐんじさいばん
・東条英機:とうじょうひでき
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