ポイント解説
「民主主義の学校」である地方自治には、住民1人1人の参加がとても大切になります。住民投票やオンブズマン制度など、地方自治に関する用語を確認します。
補足解説として、3種類の住民投票を取り上げました。理解して区別できるようにしましょう。
1.住民参加の拡大
①住民投票
・住民の賛成・反対の意思を確かめるために実施
・市町村合併、特別な施設の建設などについて
・法的拘束力はない
②オンブズパーソン制度(オンブズマン制度)
・市民の代表者が行政を監視・評価する制度
・住民からの苦情の受け付け、調査結果の公表、地方公共団体への改善要求などを行う
③NPO(非営利組織)
・利益を目的とせず、地域の課題などに取り組む団体
④村おこし・町おこし
・地域を活性化するための運動
※過疎地域の市町村などで課題
2.補足解説
3種類の住民投票について
①住民投票条例などにもとづいて行われるもの
※この記事で登場した住民投票
・投票結果に法的拘束力はありません。例えば、市町村合併についての住民投票を実施した場合、「賛成多数でも合併しない」「反対多数でも合併する」場合もありえます。
・法的拘束力がないので、18歳未満や外国人の住民も投票できる場合もあります(地方によってそれぞれ)。逆に言えば、有権者(18歳以上の日本国民)ではない人も投票できることには法的拘束力はかけられません。
・この住民投票は世論調査みたいなものですね。世論調査であれば、必ず従わなければならないということはないですよね。
②直接請求権の規定にもとづいて行われるもの
※3-9③直接請求権で登場した住民投票
・議会の解散請求、議員・首長の解職請求(リコール)がされた後に(必ず)実施される
・投票結果に法的拘束力があります。
・過半数の賛成が得られれば必ず解散・解職となります。過半数にとどかない場合は解散・解職にはなりません。
③憲法第95条の規定にもとづいて行われるもの
※2-9①参政権で登場した参政権の1つ(⑤地方自治特別法の住民投票権(憲95条))
・本来、国会が制定する法律は日本全体に効力がありますが、なかには1つの地方公共団体のみに適用される法律が制定されることがあります(このような法律を地方自治特別法といいます)。その場合、地元住民の同意が必要となるので、住民投票を実施するというわけです。
・投票結果に法的拘束力があります。
・投票により過半数の賛成が得られれば法律は成立し、過半数にとどかない場合は法律は成立しません
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