ポイント解説
資本主義経済においては好況と不況をくり返しながら(景気変動、景気循環)、経済成長が実現されます。景気を調整し安定させるために、政府は財政政策、日本銀行は金融政策を実施しています。
1.景気変動(景気循環)
・資本主義経済において、好景気(好況)と不景気(不況)が交互に繰り返されること
・好景気(好況)→後退→不景気(不況)→回復の4つの局面で1つの循環となる
※大きく好景気(好況)と不景気(不況)の2つに分ける場合もある
その場合は下図のAが好景気、Bが不景気
①好景気(好況)のとき
・商品がよく売れ、企業の生産が増え、賃金は上昇。倒産件数は減少、失業者も減少。
・インフレーション(インフレ)が起こる:物価が継続的に上昇すること
②不景気(不況)のとき
・商品があまり売れず、企業の生産は減少し、賃金は下落。倒産件数は増加、失業者も増加
・デフレーション(デフレ)が起こる:物価が継続的に下落すること
2.景気調整政策
※基本的な考え方
・好景気のとき:世の中の資金量が多いので、資金量を減らそうとする
・不景気のとき:世の中の資金量が少ないので、資金量を増やそうとする
①財政政策
・政府が行う景気調整政策
・好景気のとき:税は増税、公共投資は減らす
・不景気のとき:税は減税、公共投資は増やす
※公共投資…公共事業への支出
②金融政策
・日本銀行が行う景気調整政策
ⅰ.公開市場操作
・一般の銀行との間で国債を売り買いして資金の流通量を調節する
※現在の金融政策の中心
・好景気のとき:銀行に国債を売る
→銀行が貸し出せる資金が減る→世の中の資金量が減少
・不景気のとき:銀行から国債を買う
→銀行が貸し出せる資金が増える→世の中の資金量が増加
ⅱ.公定歩合操作
・公定歩合…日本銀行が一般の銀行に資金を貸し出すときの利子率
※かつての金融政策の中心
漢字の読み方(タップで開きます)
・景気変動:けいきへんどう
・景気循環:けいきじゅんかん
・好況:こうきょう
・不況:ふきょう
・公開市場操作:こうかいしじょうそうさ
・公定歩合:こうていぶあい
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