1.地方自治について
地方自治とは、その地域に住む住民自身が、その地域を自主的に治めることです。
「地方自治は民主主義の学校」という言葉があります。これは、その地域の住民が、政治に直接参加して身近な問題を解決することを通して、民主主義のあり方を学ぶことができる、という意味を表しています。
各地域を運営していく主体となるのが、地方公共団体(地方自治体)です。地方公共団体とは、都道府県、市区町村などのことを指します。
近年進められている取り組みとして、地方分権があります。仕事や財源を国から地方に移し、地方公共団体がその地域に合った仕事を独自にできるようにする、ということです。反対の言葉は中央集権です。
地方公共団体は、法律の範囲内で独自の法(決まり)を制定することができます。この法(決まり)を条例といいます。このようにして、地方公共団体は、地域ごとに特色ある政策を進めることができるようになっています。
2.地方自治の制度・しくみ
地方公共団体に設置されている機関として、議決機関と執行機関があります。
議決機関とは、具体的には地方議会のことで、県議会や市議会などがこれにあたります。ここでは、条例の制定や、予算の決定などが行われます。
なお、地方議員は住民の直接選挙によって選ばれます。
執行機関としては、地方公共団体の長である首長があります。都道府県知事や市町村長のことです。首長も地方議員と同様に、住民の直接選挙によって選ばれます。
3.首長と地方議会の関係
首長と地方議会は、たがいに抑制・均衡を保つ関係となっています。
①首長→地方議会
首長が地方議会に対してもつ権限としては、議会を解散する権限、議会の決定に対する拒否権、議決の再議を請求する権限があります。
②地方議会→首長
反対に、司法議会は首長に対して、首長の不信任決議を行うことができます。これが可決された場合、首長は辞職するか、議会を解散しなければならないこととなっています。
4.選挙権と被選挙権
首長と地方議員の任期は、いずれも4年です。議会は解散することもあり、その場合は早く任期が終了することになります。
選挙権は、国会議員の選挙と同じく、首長・地方議員の選挙の場合でも18歳以上の住民に保障されています。
被選挙権、つまり立候補できる年齢は、地方議員が25歳以上、市町村長が25歳以上、都道府県知事が30歳以上となっています。
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