ポイント解説
江戸幕府は支配体制を維持するため、大名と朝廷をうまく統制する必要がありました。大名については親藩・譜代大名・外様大名に分類し、さらに武家諸法度という法律で統制。朝廷に対しては禁中並公家諸法度を出して政治への関与を禁止しました。
1.大名の種類と支配のしくみ
・大名…将軍から1万石以上の領地を与えられた武士
①親藩
・徳川氏の一族
・御三家…尾張、紀伊、水戸の徳川氏
②譜代大名
・古くから徳川氏に従っていた大名
・石高は少ないが、大老・老中など幕府の要職についた
③外様大名
・関ヶ原の戦い前後から徳川氏に従った大名
・石高の大きい大名もいたが、幕府の要職につけない
・江戸から遠い地域に配置された
2.藩
・大名の領地とその支配のしくみのこと
・幕藩体制…幕府と藩が全国の土地と人々を支配する政治体制
3.大名の統制
①武家諸法度
・大名を統制する法令
・1615年、2代将軍徳川秀忠の名で初めて出される
・内容:大名が許可なく城を修理することを禁止、大名家どうしの勝手な結婚を禁止など
②参勤交代
・大名が1年おきに領地と江戸を往復すること
・大名の妻子は人質として江戸の屋敷に住む
※3代将軍徳川家光のときに制度化された
③藩の財政は悪化
・理由1:参勤交代のため、江戸での滞在費や領地との往復にかかる費用
・理由2:江戸城の修築や河川の土木工事などの負担
4.朝廷の監視・統制
①幕府の役職
・京都所司代…朝廷の監視にあたった
②法令
・禁中並公家諸法度…天皇や公家の行動を制限し、政治上の権限を認めないという内容
漢字の読み方(タップで開きます)
・親藩:しんぱん
・御三家:ごさんけ
・譜代大名:ふだいだいみょう
・外様大名:とざまだいみょう
・幕藩体制:ばくはんたいせい
・武家諸法度:ぶけしょはっと
・徳川秀忠:とくがわひでただ
・参勤交代:さんきんこうたい
・妻子:さいし
・徳川家光:とくがわいえみつ
・京都所司代:きょうとしょしだい
・禁中並公家諸法度:きんちゅうならびにくげしょはっと
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