ざっくり地理

日本の諸地域⑤ 関東地方(ざっくり解説)

1.自然・気候

①地形

まず関東地方の地形についてです。関東地方には、日本最大の平野である関東平野が広がっています。西部には、関東山地があります。さらに、流域面積が日本で最も大きい利根川も流れています。

このほか、関東地方に特徴的なものとしては、関東ロームがあります。これは、富士山などの火山灰が積もって形成された、赤土の層のことです。

②気候

関東地方は太平洋側の気候に属します。そのため、冬は乾燥した北西の季節風が吹き、晴天の日が多くなります。この冬の北西の季節風は、からっ風ともよばれます。自転車で北に向かう場合は向かい風に苦しめられます。

東京や横浜などの都市部では、ヒートアイランド現象が見られます。これは、自動車や建物からの排熱や、緑地の減少などを原因として、都市部の気温が周辺より高くなる現象のことです。同じ東京都でも、都心部と西部などでは、気温が数℃違うこともよくあります。

2.東京

一極集中

日本の首都である東京には、人口だけでなく、政治や経済、文化なども過度に集中しています。これを一極集中といいます。
周辺の県もふくめた東京大都市圏には、日本の総人口の約4分の1、3000万人以上が暮らしています。過密が進んでおり、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は人口が増加傾向にあります。

3.おもな空港

東京国際空港

一般には羽田空港とよばれている空港です。国内線に加えて、現在は国際線の発着もあります。

成田国際空港

一般には成田空港とよばれていて、千葉県成田市にあります。輸出額・輸入額が日本最大の貿易港となっています。空港も「港」なので注意しましょう。

取り扱い品目としては、IC集積回路)の輸送が多くなっています。航空機による輸送は費用がかかりますが、航空機が利用される理由は、IC(集積回路)は軽量で高価なため、大量に運べるので航空機を利用しても採算が取れるからです。

4.産業

関東地方では、特に情報通信技術(ITICT)関連産業がさかんになっています。そのようなこともあり、第3次産業(サービス業など)の従事者の割合は、1都3県では7割以上となっています。

5.工業

関東地方には、いくつかの工業地帯・工業地域が形成されています。

京浜工業地帯

東京都から神奈川県に広がっています。この工業地帯の特徴としては、印刷業がさかんなことです。工業生産額に占める印刷業の割合も、他の工業地帯・地域に比べて大きくなっています。その理由は、(東京には)多くの情報が集まるため新聞社や出版社が多いからです。

京葉工業地域

 東京湾の東岸、千葉県の千葉港を中心に形成されています。火力発電所や、石油化学コンビナートなどが立ち並んでいます。

③鹿島臨海工業地域

茨城県の南東部、鹿島港を中心とする工業地域です。石油化学工業が発達しており、石油化学コンビナートが集まっています。

④北関東工業地域

内陸の工業地域として、埼玉県・栃木県・群馬県に広がっています。

6.農

近郊農業

埼玉県千葉県茨城県などでさかんな農業です。
特に茨城県千葉県の農業生産額は、全国でも上位にあります。茨城県は2位千葉県も3~4位にランクインすることが多いです(1位は北海道)。

抑制栽培

中部地方の長野県などと同様、夏でも涼しい高冷地では抑制栽培が行われており、高原野菜を栽培しています。群馬県嬬恋村ではキャベツ・レタスなどを栽培し、都市部に出荷する輸送園芸農業がさかんです。

7.各都県の特徴

①茨城県

農業生産額が北海道に次いで全国2位であることや、琵琶湖に次いで2位の広さの湖である霞ケ浦があります。

②千葉県

農業、工業ともさかんな県で、農業は近郊農業として、工業は京葉工業地域でさかんです。

③東京都

人口が全国1位で、約1400万人となっています。日本の総人口の1割以上が東京都に集中していることになります。
京浜工業地帯でもふれましたが、印刷業印刷関連業の出荷額が特に多くなっています。


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