1.違憲審査制
①対象
・国会が制定した法律
・内閣による命令・規則・処分
②違憲審査制の内容
・憲法に違反していないかどうかを裁判所が審査する
・具体的な事件を通して審査する
※すべての裁判所が違憲審査権を有している
③「憲法の番人」
・最高裁判所は「憲法の番人」とよばれる
→理由:最高裁判所は、法律などが合憲か違憲かについて、最終的な決定権をもっているから
2.最高裁判所による違憲判決のおもな例
①尊属殺人重罰規定違憲判決(1973年)
・刑法第200条の規定:親などを殺した場合、刑罰は死刑か無期懲役
・最高裁の判断:憲法第14条の法の下の平等に反し違憲
⇒その後の動き:国会は該当の刑法第200条を削除
②薬局開設距離制限違憲判決(1975年)
・薬事法の規定:薬局を開設する場合、すでに存在している薬局から一定の距離をおかなければ、許可されない
・最高裁の判断:憲法第22条の職業選択の自由に反し違憲
③議員定数不均衡違憲判決(1976・1985年)
・最高裁の判断:衆議院議員選挙で1票の価値に大きな格差があることは、憲法第14条の法の下の平等、第44条の選挙権の平等に違反
※ただし選挙の結果は無効としない(有効)
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