必修公民

経済格差の拡大と国際的な援助(必修解説)

1.格差の拡大

先進工業国や発展途上国といった言葉があるように、世界には経済的に豊かな国と貧しい国とがあります。先進工業国と発展途上国との経済格差の問題、およびそれによって生じているさまざまな問題のことを、南北問題といいます。発展途上国は比較的南半球に多く、先進工業国は北半球に多く見られます。

南北問題に加えて、発展途上国のなかにも経済格差が生じています。中東の産油国やアジアの新興国などは、経済発展によりある程度豊かになることに成功しましたが、アフリカのサハラ以南などには、資源もなく、経済発展もうまくいかない国々が少なくありません。このような国のことを最貧国といいます。そして、経済成長にある程度成功した発展途上国と、最貧国との経済格差の問題、さらにそれによって生じるさまざまな問題のことを、南南問題といいます。

2.国際的な援助や取り組み

南北問題、南南問題の解決には、先進国による援助や協力が欠かせません。そのために、政府開発援助(ODA)が行われています。これは、先進国が発展途上国に対して行う資金援助や技術協力です。

国だけではなく、民間の組織も協力や支援の活動を行っています。民間によってつくられた国際的な協力組織をNGO(非政府組織)といいます。NGO(非政府組織)は、政府の援助が十分に届きにくい分野で活動し、貧困に苦しむ人々を福祉・教育・環境などの面で支援しています。


必修公民にもどる