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内閣(必修解説)

1.内閣の地位

日本国憲法では、三権のうち行政権内閣にあることが規定されています。

2.内閣の組織

内閣は、内閣総理大臣首相国務大臣で構成されます。内閣総理大臣は国会議員の中から国会の指名によって選ばれます。国務大臣とは、外務大臣や財務大臣など、各省の大臣です。この国務大臣は内閣総理大臣の任命によって決まりますが、国務大臣の過半数国会議員でなければなりません。

内閣総理大臣が議長となって開かれる会議を閣議といいます。すべての国務大臣が出席し、全会一致で決定されます。多数決ではありません。

3.内閣の仕事

①法律案や予算案を作成し、国会に提出する

国会2でも確認しましたが、法律案を提出できるのは国会議員か内閣でした。

また、予算(案)は内閣が作成して国会に提出します。この予算案は衆議院が先に審議します(衆議院の優越。衆議院にのみ認められている権限)。

②外交関係の処理、外国と条約を結ぶ

条約を締結するのは、内閣の仕事です。それを、国会が承認します。

政令の制定

政令とは、成立した法律を実施するための命令のことです。政令指定都市という言葉を聞いたことがあると思います。

国会の召集を決定する

内閣が国会の召集を決定します。そして、天皇が国事行為として国会を召集します。

衆議院の解散を決定する

内閣総理大臣は、いつでも衆議院を解散する権限をもっています。そして、天皇が国事行為として衆議院を解散します。

最高裁判所長官の指名、その他の裁判官の任命

内閣は、最高裁判所の長官を指名し、その他の裁判官を任命する権限を持っています。

⑦天皇の国事行為に対し、助言承認をすること

内閣は、天皇の国事行為に対して助言と承認を与えます。

4.行政改革

行政改革とは、政府の仕事を整理・縮小して、行政を効率化する改革のことです。規制緩和などが行われています。

5.立法(議会)と行政の関係

①議院内閣制

内閣が国会の信任にもとづいて成立し、国会に対して連帯して責任を負うしくみのことを、議院内閣制といいます。

内閣不信任決議が衆議院で可決された場合、内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければならないこととなっています。これは、国会から内閣に対する信任がなくなったことを意味するので、「内閣は国会の信任にもとづいて成立する」という前提がくずれたことにより、内閣はもはやそのままでは存続できないということを意味するわけですね。

議院内閣制では、内閣総理大臣は同時に国会議員でもあるなど、国会と内閣は密接に関係していることがわかります。議院内閣制は日本のほかにイギリスでも採用されています。

大統領制

大統領制は、アメリカなどで採用されています。国民は、大統領と議会の議員をそれぞれ選挙で選びます。国民の選挙で選ばれた大統領は、議会から独立した強い権限をもっています。

議院内閣制の日本では、国民が内閣総理大臣を直接選挙で選ぶことはできないですね。


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