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南アメリカ州(必修解説)

1.南アメリカ州の自然

南アフリカ大陸の西部には、アンデス山脈が南北に走っています。また、ブラジルなどを中心に、アマゾン川が流れています。アマゾン川流域面積は世界最大で、その長さはアフリカのナイル川に次いで世界2位です。アマゾン川の周辺には世界最大の広大な熱帯林が広がっていますが、伐採による環境破壊がもう何十年も問題になっています。

2.南アメリカ州の言語・宗教・民族

南アメリカ州の言語はスペイン語ポルトガル語が中心となっています。かつてスペインポルトガルがこの地域を植民地支配していたことが背景にあります。ブラジルはポルトガル語それ以外の国はスペイン語と覚えておけば十分です。

宗教についても、スペインポルトガルの影響で、キリスト教カトリックが中心となっています。

南アメリカ州には多様な民族が暮らしています。そのなかでも、先住民白人(ヨーロッパ人)の間に生まれた混血の人々をメスチソ(メスチーソ)といいます。

3.南アメリカ州の農業

農業では、いも類とうもろこしなどを多く栽培しているほか、焼畑農業も行われています。焼畑農業とは、アマゾン川流域などで行われている移動式の農業で、森林や原野を焼いて、残った灰を肥料としていも類などを栽培する農業です。

4.南アメリカ州の貿易

南アメリカ州の国々では、特定の農産物や鉱産資源の生産・輸出に頼る経済が現在も見られます。これをモノカルチャー経済といいます。モノカルチャー経済は、アフリカや東南アジアの国々でも見られます。発展途上国特有の経済といえます。

南アメリカ州各国のおもな輸出資源を見ると、チリベネズエラエクアドル石油(原油)、ブラジル鉄鉱石が多くなっています。

5.ブラジルについて

ブラジルの面積は日本の約22倍、人口は約2億人です。南アメリカ州の国々では面積・人口ともブラジルが1位です。

日系人も多くブラジルに居住しています。公用語はポルトガル語です。

かつてはコーヒーの栽培が農業の中心というモノカルチャー経済となっていましたが、近年はさとうきび大豆とうもろこしなどの生産も増えています。ですが現在でもコーヒーの生産量・輸出量は世界1位となっています。

ブラジルではさとうきびを原料としたバイオエタノール(バイオ燃料)も普及していて、おもに自動車の燃料として使用されています。

日本との関係ですが、日本への輸出は鉄鉱石とうもろこしが多くなっています。

その他の特徴としては、ブラジルは水力発電の割合が高く、約80%を占めていることがあげられます。

6.アルゼンチンについて

アルゼンチンは国土の西側にアンデス山脈が南北に走っていて、チリとの国境になっています。気候は乾燥帯温帯が広がっています。

首都ブエノスアイレス周辺に広がる草原をパンパといい、小麦の栽培や放牧などが行われています。


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