しっかり公民

平等権

平等権とは:すべての人が等しく扱われる権利

1.日本国憲法の規定

憲14条

法の下の平等を保障
⇒憲14条①条文
「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」

憲13条

個人の尊重を規定
⇒憲13条 条文
「すべて国民は、個人として尊重される。(以下略)」

憲24条

・家族生活における個人の尊厳両性の本質的平等を規定

2.現代も残る差別と対策

部落差別

・1965年、同和対策審議会の答申
→部落差別の解決は国の責務・国民の課題
→国は差別解消をめざす法律の制定など、さまざまな取り組みを実施

②民族差別

アイヌ民族に対する差別

ⅰ.北海道旧土人保護法:1899年
・明治政府が日本人への同化策を推進

ⅱ.アイヌ文化振興法:1997年
・アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会をめざす

ⅲ.国会の決議:2008年
・「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を国会で採択

③定住外国人に対する差別

・在日韓国・朝鮮人
・アジア・南米などからの労働者・留学生

④男女差別・女性差別をなくすために

ⅰ.男女差別の例
セクシュアル・ハラスメント…相手の意思に反する性的ないやがらせ
・「男は仕事、女は家庭」という価値観

ⅱ.男女平等の実現に向けた取り組み
a.女子差別撤廃条約
・1979年、国際連合で採択

b.男女雇用機会均等法:1985年制定
・就職や昇進において男女を平等に扱うこととし、特に女性に対する差別を禁じた法律
⇒その後、大幅に改正

c.男女共同参画社会基本法:1999年制定
・男女がたがいに人権を尊重しあい、対等な立場で個人として能力を発揮できる社会をめざす法律

⑤障がい者の暮らしやすい社会づくり

ⅰ.ノーマライゼーション
・障害の有無や年齢にかかわらず、ともに地域のなかで普通の生活を送ろうという考え方
例:公共施設のバリアフリー化、視覚障がい者用誘導ブロック

ⅱ.ユニバーサルデザイン
・年齢や障害のあるなしにかかわらず、すべての人が使いやすいようにつくられたデザイン
例:シャンプーの容器、右利き用・左利き用のスプーンやはさみ

ⅲ.障害者基本法
・障がい者福祉を総合的に推進
⇒2011年改正

ⅳ.障害者権利条約
・2006年、国際連合で採択
・障がい者の権利を国際的に保障

共生社会

・人々がおたがいを尊重し、ともに助け合って生きていく社会


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