ざっくり地理

日本の諸地域① 九州地方(ざっくり解説)

1.九州地方

①気候・自然

九州地方は日本海側を対馬海流、太平洋側を黒潮(日本海流)という2つの暖流が流れ、温帯のなかでも比較的温暖な地域となっています。沖縄県をふくむ南西諸島亜熱帯(熱帯に近い温帯)の気候となっています。

また、九州地方は台風の通り道でもあるため、毎年多くの降水量があります。

②農業

筑紫平野は米の産地で、稲作がさかんです。

宮崎平野では、温暖な気候を利用して出荷時期を早める促成栽培が行われています。ビニールハウスきゅうりピーマンなどを栽培しています。

鹿児島県から宮崎県南部にかけては、桜島から噴き出された火山灰が積もった台地が広がっています。この台地をシラス台地といいます。水分を保ちにくいため、稲作には向いておらず、この地域では畑作畜産がさかんになっています。

③工業

明治時代、北九州に官営の八幡製鉄所が建設され、鉄鋼がさかんに生産されるようになりました。こうして工業が発展し、北九州工業地帯(地域)が形成されました。

しかし、戦後しばらくたった1960年代になると、資源の中心が石炭から石油に変わるエネルギー革命がおこりました。そのような影響もあって、北九州工業地帯(地域)の地位は低下していきました。

その後、九州地方にはIC(集積回路)や自動車を生産する工場が多く進出するようになりました。ICの工場が多いことから、アメリカのシリコンバレーにならって、九州地方をシリコンアイランドとよぶこともあります。

④公害

高度経済成長期には深刻な公害も発生しました。九州地方では、熊本県を中心に水俣病が発生してしまいました。その後の環境改善などの努力により、水俣市は2008年に環境モデル都市に指定されています。

なお、四大公害病とは、水俣病イタイイタイ病新潟水俣病四日市ぜんそくです。 

2.各県の特徴

①福岡県

福岡県の県庁所在地は福岡市です。人口は100万をこえ、政令指定都市でもあり、また九州地方の中心都市でもあります。

筑紫平野稲作がさかんに行われています。

②佐賀県

佐賀県は、干潟の広がる有明海に面していて、のりの養殖がさかんに行われています。

③長崎県

1991年、雲仙岳(普賢岳)が噴火し、大きな被害をもたらしました。

④熊本県

熊本県には、世界最大級のカルデラをもつ阿蘇山があります。

⑤宮崎県

温暖な気候を利用して、宮崎平野では野菜の促成栽培が行われています。
畜産もさかんで、ブロイラー(食用のにわとり)や肉牛、豚の飼育がさかんになっています。

鹿児島県

桜島から出た火山灰が積もったシラス台地が広がっており、稲作に向かないため畜産や畑作がさかんです。特に畜産は鹿児島県の農業生産額の50%以上を占めるほどで、宮崎県と同じくブロイラー、肉牛、豚の飼育がさかんです。ブロイラーの飼育頭数は、宮崎県と鹿児島県が全国1・2位となっています。

このほか、さつまいもの生産量は全国1位、の生産量は全国2位 です。茶の生産1位は静岡県です。


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