ざっくり地理

世界の諸地域② ヨーロッパ州(ざっくり解説)

1.ヨーロッパ州の気候・自然

①気候

ヨーロッパ州の多くの国々は、日本より高緯度に位置しています。ですが、日本の気候に比べると冬の寒さはそれほどきびしくなく、比較的温暖です。
その理由は、大西洋を南から北に流れる
暖流の北大西洋海流と、その上を吹く偏西風影響を受けるからです。

②地形・自然

ヨーロッパの北部にはスカンディナビア半島があります。その沿岸部(ノルウェー)には、フィヨルドという特徴的な地形がみられます。これは、氷河によってけずられた谷に、海水が深く入り込んでできた、奥行きのある湾のことです。

複数の国を流れる国際河川としてはライン川があります。ドイツやフランスなどを流れており、物資の運送にもライン川の水運が利用されています。

2.ヨーロッパ州の宗教

ヨーロッパでは、キリスト教が多く信仰されています(もちろん、それ以外の宗教を信仰する人も多いですよ)。

3.ヨーロッパの農業

ヨーロッパの農業の形態には、大きく分けて3つがあります。

地中海式農業

地中海式農業は、地中海沿岸の地域で見られる農業形態です。具体的な国名としては、イタリアスペインなどです。これは地中海性気候に適応した農業です。

夏は雨が少ないため、乾燥に強いオレンジオリーブなどの果実を栽培しています。
冬は雨が降って降水量が増えますので、小麦を栽培することができます。

混合農業

混合農業は、ヨーロッパ北西部や東部など、広い範囲で見られる農業形態です。
穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業です。

酪農

酪農は、ヨーロッパ北部、デンマークやオランダなどで見られる農業形態です。
乳牛を飼育し、バターチーズを生産しています。

ヨーロッパの農業の分布については、
地中海沿岸付近は地中海式農業
・ヨーロッパ北部など気候が冷涼な地域は酪農
それ以外は混合農業
と大まかに覚えておくといいでしょう。

4.ヨーロッパの統合

①統合の歴史

1967年にヨーロッパ共同体(EC)が結成され、さらに1993年にはヨーロッパ連合(EU)が12か国で発足しました。
その後も加盟国は増え続け、最大時には28か国となりました。

2016年にイギリスで行われた国民投票の結果、イギリスはEUを脱退しました。そのため、現在の加盟国は27か国です。

②EUの政策

EUの加盟国間では、国境を自由に通過することができます。また、加盟国間の関税をなくし、貿易がさかんになるようにしています。

ユーロという共通通貨も導入されました。ですが、このユーロは、すべてのEU加盟国が参加しているわけではありません。

5.ヨーロッパ各国について

イギリス

イギリスでは18世紀に世界に先がけて産業革命がおこり、鉄鋼業・機械工業が発達しました。イギリスは「世界の工場」となり、工業国として発展しました。

20世紀の2度の世界大戦により、イギリスの地位は低下しましたが、近年は北海油田が開発されたことで、石油輸出国となっています。

2016年には国民投票でEUからの離脱を決めました(2020年に正式に離脱)。

フランス

フランスEU最大の農業国で、小麦の輸出は世界2位です(アメリカが1位)。

このほか、原子力発電の割合が約80%と高く、主要先進国で最大となっています。 

ドイツ

ドイツEU最大の工業国で、ルール地方はヨーロッパ最大の工業地域(ルール工業地域(地帯))です。

④ロシア(ロシア連邦)

ロシアは面積が世界1位で、日本の約45倍もあります。人口は約1.4億人、こちらも日本より多いです。

気候は大部分の地域が冷帯(亜寒帯)で、一部に寒帯も見られます。また、シベリア地方にはタイガとよばれる針葉樹の森林が広がっています。


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