20世紀になって、広く保障されるようになった人権が、人間らしい生活を送る権利である社会権です。1919年、ドイツのワイマール憲法で、初めて社会権(生存権)が保障されました。
日本国憲法で保障されている社会権には、おもに以下の種類があります。
1.生存権
生存権とは、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利です。日本国憲法では第25条で規定されています。この規定にもとづいて、国は社会保障制度を整備し、年金や雇用保険、介護保険制度などの充実に取り組んでいます。
※社会保障制度については、社会保障制度①②でくわしく学びます。
2.教育を受ける権利
すべての人が、その能力に応じて等しく教育を受ける権利のことです。社会に出て人間らしい生活を送っていくためには、教育を受けるによって知識や判断力、周囲との協調性を身につけることが必要ですね。
3.勤労の権利
収入を得て生活を安定させ、精神的にも充実した生活を送るために、勤労の権利が保障されています。
4.労働基本権(労働三権)
労働者には、3つの権利が保障されています。これは、使用者(雇い主、会社側)に比べて弱い立場にある労働者を守るためにも必要な権利です。以下の①~③があります。
①団結権
弱い立場の労働者が集まって、労働組合を結成する権利です。
②団体交渉権
賃金など労働条件の改善について、使用者と対等な立場で話し合う権利です。使用者は、正当な理由なしに話し合いを拒否することはできません。
③団体行動権(争議権)
団体交渉がうまくいかない場合などに、労働組合が要求を実現するためにストライキなどをおこす権利です。
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