必修公民

日本国憲法(必修解説)

1.日本の憲法

日本の憲法には、明治時代に制定された大日本帝国憲法と、第二次世界大戦後に制定された日本国憲法があります。

大日本帝国憲法においては、主権は天皇にあり、国民(臣民)の権利は「法律の範囲内」で認められていました。つまり、国民の権利が法律によって制限される可能性があった、ということです。実際、治安維持法などの法律によって、国民の自由や権利が制限されることがありました。

2.日本国憲法

日本の現行憲法は日本国憲法です。大日本帝国憲法を改正するという手続きで制定されました。1946年11月3日に公布され、半年後の1947年5月3日に施行されました。

①日本国憲法の三大原理

日本国憲法には3つの原理(原則)があります。

まず、主権は国民にある、という国民主権です。大日本帝国憲法の天皇主権と大きく異なる点です。

2つめが、憲法の前文と特に第9条で定められている、平和主義です。戦争放棄戦力の不保持などを宣言しています。

3つめが、基本的人権の尊重です。国民は、生まれながらに、侵すことのできない永久の権利を保有しています。

②日本国憲法改正の手続き

日本国憲法の改正の手続きについては、第96条で規定されています。

まず、衆議院と参議院でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成が必要です。これにより、国会が憲法改正を発議します。次に、18歳以上の国民(有権者)による国民投票を行い、有効投票の過半数の賛成があれば、改正案が成立します。成立した改正案は、天皇が国民の名において公布します。こうして、改正された新しい憲法が施行されます。

3.天皇の国事行為

大日本帝国憲法で主権者であった天皇は、日本国憲法では象徴とされ、政治的な権限をもたないものとされました。天皇は、内閣の助言と承認にもとづいて、憲法に定められた国事行為のみを行います。天皇の国事行為は、形式的・儀礼的で、以下のものがあります。

国会を召集すること
法律を公布すること
衆議院を解散すること
内閣総理大臣を任命すること
最高裁判所長官を任命すること


必修公民にもどる